こないだ会社の帰り、電車の中で座ったら、バッグにちっさなゾウムシが飛び乗ってきて、「あ、ゾウムシだ」と思って見てたら、そのゾウムシ、後ろ足の一本がおかしな方向にねじまがってた。で、「あ、これはもう元にはもどらないんだろうなぁ」と思って、片足が一本駄目になったゾウムシの今後の生活とかをあれこれ想像しながら、できるだけゾウムシを刺激しないようにじっと動かないで、バッグの表面をじりじり片足を上げながら歩きつづけるゾウムシを見てた。結局ゾウムシは僕が電車から降りてもまだ僕のバッグにしがみついてた。僕は内心ひやひやしながら「変なところで落っこちるなよー」とか思いつつ改札を出て、いつものように本屋に寄ったりした。で、どっか木とか土のあるところに放してやれたらいいなーとか思いながら本屋を出たときにバッグを見たら、もうゾウムシはいなかった。


窓を開けてて、虫とか部屋に入ってくると、とにかく外に逃がしてやりたくなる。こんな部屋の中にいたら、たぶんつまらない死に方をするのが落ちだろうなと思うから。