その、どんなに死を意識しないで生きていても、「死なないように生きつづける」ために自分が無意識にしていることって、たくさんあると思う。それは、強迫観念のように自分の行動に染み付いているルールであって、だからこそいまこうしてこういうことを書いたりできるわけだ。
よく思うのは、人って身近に天敵がいないよなっていうこと。ぼくらのいのちをもてあそぶような天敵がいないのは、ちょっとずるいんじゃないかとも思ったりする。カを叩いて殺したり、ゴキブリをホウ酸団子で脱水症状で殺したり。ゴキブリを殺さなくたって、ぼくらが死ぬわけじゃないじゃない? 物陰でつつましく生きてるだけなのに、へんなえさでおびき寄せられて、床がネバネバの罠にかかって、身動き取れなくなって、何日も何日も飢えと乾きに苦しみながら死ぬのってどうなんだろう?とか考え出したら……