ニコルソン・ベイカー『もしもし』『フェルマータ』

もしもし (白水Uブックス―海外小説の誘惑)

もしもし (白水Uブックス―海外小説の誘惑)

フェルマータ (白水Uブックス―海外小説の誘惑)

フェルマータ (白水Uブックス―海外小説の誘惑)

『もしもし』はテレフォンセックスを描いた話。『フェルマータ』は時間を自由に止めることができる男の話。どちらも大変エロくて面白いです。というか登場人物たちのオナニストっぷりがもう、すばらしい。ヤン・シュヴァンクマイエルの『悦楽共犯者』と通じるところがあります(これもすごいオナニー賛歌映画。なんというか、バカバカしさ全開なところが素敵)。
でも電車の中で読んでると、いきなり「あたしのキャンディ・コーンを……」とか出てきて思わず噴き出しそうになるのでかなりヤバいです。でも読んでたけど。(「キャンディ・コーン」が何を指すかは……まぁ是非読んでみてください)
翻訳もすばらしい。特に『もしもし』なんかは会話文オンリーの小説なので、全編が会話なのですが、この翻訳なくしてはおそらくここまで面白くはないんじゃないかと思います。最高!