蝉の鳴く午後


大きな公園を歩いているとき、ふいに目の前をふらふらと力なく油蝉が横切って、道の脇の土も草もあるところに落ちました。たぶんあそこで死ぬのでしょう。
悲惨な奴になると車の通るコンクリート道路の上に落ちたりします。去年の夏、会社に向かう途中の交差点の真中で、ひっくりかえったまま地面に向かって鳴きながら羽根をばたつかせているやつを見ました。


土の上で死ぬって大切だと思いました。ていうか土の上で死にたい。
できれば緑もある場所で。