宮沢章夫『月の教室』


月の教室

月の教室

『月の教室』(宮沢章夫 著)っていう戯曲を読みました。
なんていうか、よくわかんない内容なんですが、なかなか面白かったです。
というよりこの戯曲は作り方が面白くて、「誰でも参加できる『市民演劇』を作って欲しい」という静岡県袋井市からの依頼を受けた著者が、その市でワークショップを開き、市民と一緒に作業した内容を反映させて作られています。
ワークショップに参加したのは主に地元の高校生。実際に演劇を演じたのもそのワークショップに参加した高校生たちがメインです。
なので演劇の内容も高校生達の会話がメインなのですが、地元の方言をそのまま台詞に生かしていたり、ワークショップで集めた「日常会話を録音してきてそれを台本化したもの」をそのまま挿入してあったりと、なかなか面白いんです。
また、この本には8cmCDが付いていて、戯曲の中で実際に使われているせりふの一部を聴くこともできます。とくに活字ではわからない方言のイントネーション等、聴けるのがいいです。


そういえば、しばらく前に松尾スズキの『キレイ』も読みました。
松尾スズキの戯曲ってはじめて読んだんですが、思ったよりわかりにくくて変でよかったです。もっとわかりやすいものかと勝手に思っていたので。