洗濯機の掃除

こっから下は危険なことが書いてあります。
潔癖症の人とかは読まないほうがいいです。


さて、休みも明日までだし洗濯でもするかと思って洗濯機(二槽式)に水を溜めようとしたら……水が溜まらない。
は? と思って「洗い・すすぎ <-> 排水」のダイヤルスイッチをがちゃがちゃやってみるが、溜まらない。水はこうこうと流れていく。いやいやいやいや、ちょっと待ってよ、正月早々故障ですか、勘弁してくださいとか思いながらさらにがちゃがちゃやってみるが、いっこうに水は溜まろうとしない。
こりゃだめだ、と思って新しい洗濯機を買う想像をしてみる。これからLAOXまで行って、新しい奴を買って届けてもらって午後だろ? それから洗濯を……とか考え出すと頭痛がしてくる。でも、新しい洗濯機。買うとしたらやっぱ今度は全自動だろ? もう冷たい水と格闘しながらの洗濯ともお別れか。これは新しいのを買えって云う洗濯機からのメッセージなのかもしれないし。だってもう10年使ったもんな。いや10年以上か。一人暮らしはじめてからずっと使ってきた奴だ。今日壊れたって別に不思議はない。
でも、私はバラすことにした。バラして原因を探ったら案外あっさり直りそうな気がしたからだ。バラすといっても洗濯槽の一隅の外すことができるパーツを外して中を見るだけだし。ドライバーすらいらない。
で、はずした。そしてそこに、私はこの世のものでないものを見た。潔癖症の人ならたぶん卒倒していただろう。10年以上使いつづけ、たまりにたまった汚れがそこにはこびりついていた。私は半泣きでパーツの裏側にこびりついている黒いメッキ上の水垢のラスボスみたいなやつを古い歯ブラシでこすりおとし、排水パイプの外側についてるヘドロのかけらのようなものもこそげ落とした。排水パイプの底部にからまっていた繊維状のごみくずを取ったら水はあっさり溜まるようになった。私は水を溜め、粉石けんを入れて洗濯機を回した。洗濯機をすすぐために洗濯機を回したのだ。しばらく回しつづけ、水がうっすら汚れてヘドロ・フレークが浮かび上がる。水を落とす。また溜める。そしてすすぐ。洗濯機自身を。
そんなことを何度か繰り返した後、洗濯機を回しても水が汚れなくなった。ヘドロ・フレークも浮かない。ずいぶん前から時々洗濯時に浮いていたヘドロ・フレークはこれが原因だったんだな、と遠い目で感慨にふける。というかそんなの浮いた時点で掃除しろよ、俺。