Windows用ゲーム『NEET ROAD』を公開します。


NEET ROAD for Windows
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 概要


NEET ROAD』は宝探しゲームです。
ダンジョンに潜って宝を探し、地上に戻ってきて鑑定して売って私腹を肥やします。
そのために壁を掘ってみたり、装備を強化したり、女の子を助けたり、そんな感じです。
1980年代のBASICゲームの延長線上にあるようなレトロ風味の見た目と内容です。
マウスは一切使用しません。キーボードで遊ぶゲームです。


本ゲームをすべての「かつてパソコン少年だった」おっさん方に捧げます。

 動作環境


動作環境:古めのDirectXゲームが動くWindows環境
推奨スペック:Vistaが軽快に動くレベルのハードウェア環境



Windows 7(64bit)でも動いていますが、何かしないと動かなかった気がします。
DirectXのdllを入れるとかそういう感じのことをした気がしますが、よく覚えてないので各自なんとかしてください(スミマセン)。
DirectX9環境で動くゲームが動く環境ならおそらく大丈夫なはずです
また、自作BASIC上で動くゲームのため、やってる内容の割に動作は重いです。

 遊び方

  1. kumabasic.exe を実行する
  2. BASIC画面が表示されたら、F1キーを押す
    これで自動的にゲームが開始されます。
    実際には、F1を押すと、kumabasic.exeと同じ場所にあるプログラムファイルをロードして、実行しています。
  3. タイトル画面でスペースキーを押す
    セーブデータがある場合は、「LOAD GAME」にカーソルがあるはずなので、そのままスペースを押せば再開できます。
    カーソルはカーソルキーで移動可能です。


以下はゲームの詳細になります。
とても長いテキストですが、ゲーム内容のヘルプ的なものはゲーム内では一切出てこないので、まずは一読をお勧めします。
というか、読まないと、おそらくまともに遊べないと思われます。
#アイテムに関する説明は、アイテムの「説明」コマンドから見ることができます。

 STORY


あなたは自宅警備員です。
ところで、あなたの家の裏の空き地に、突然ダンジョンの入り口が現れました。
「チャンスよ!」あなたの妹が叫びます。
「これ以上ない良い機会だわ! 亡くなったパパが残していった『お宝探知機』がいまこそ役に立つのよ!」
「いやパパ死んでないよね。海外に…」
ニートが口ごたえしてんじゃないわよ!!」
「あ、はい。スイマセン」
「そんなことよりダンジョンよ!」妹が唾を飛ばしながら叫びます。
「あの入り口のことはまだ誰にも知られてないわ! 今すぐアンタが潜って、お宝ドッサリがめてきなさいよ!!」
「……は?」
「は?じゃないわよ! とっとと潜ってこいっつってんの!!」
「え、でもダンジョンだよね? ダンジョンってあのパンツとか落ちてる」
「落ちてないわよ! 落ちてないわよ! パンツとか、落ちてるわけないでしょ!? どっかのアホなゲームと一緒にしないでよ!!」妹は真っ赤になって叫びます。
「ダンジョンよ? ダンジョンなのよ!? ダンジョンつったら、お宝でしょ!? 壁にお宝が埋まってるもんでしょ!? それを探知するのが『お宝探知機』なんじゃない!」
「あ、あれってそういうもんなんだ」
「そういうもんなんだじゃないわよ! とっとと行きなさいよ! 行け! さっさとお宝盗ってこい!」
「……や、でもダンジョンってさ、モンスターとか、いるんじゃないの?」
「いるわよ! いるにきまってんでしょ! お金を稼ぐって言うのはね、そんな甘いものじゃないのよ! 多少のリスクはあたりまえでしょ! お宝がかかってんのよ!?」
「や、でもさ、モンスターとかいるんなら、武器とか盾とかそういうアレがないと」
「落ちてるわよ! ダンジョンなのよ!? 武器くらい落ちてるに決まってるでしょ! パンツは落ちてない! 武器とか盾とかが落ちてるの! それ拾ってなんとかしなさいよ! わかった!?」
「いや、わかったっつうか、なんつうか、……ホントに落ちてりゃいいんだけどさ」
「なによ! まだ何かあるわけ!?」
「……え、うーん……あ! そういえば、お前ってさ、ある時期から突然メガネするの止めたじゃん? あれってなんで?」
「はああぁあああ!? はああぁぁぁぁああぁあ!? なんでいきなりメガネの話が出てくるのよ!」
「いや、なんとなく」
「そ、そんなのアンタが『めがねっこがウンタラ〜』とか『もえ〜がドウタラ〜』とか、キモイこと言い出したからに決まってんでしょ!!!」
「え、そうだったん? いやーなんか最初は、オトコがらみかー?とか思ってたんだけど、どうもそういうわけでもなかったみたいだし、割と気になって」
うるさいうるさいうるさい! さっさと行きなさいよ!!!!」
「わかった、わかったよ。行けばいいんだろ、ダンジョン。でもさ、命を落とすかもしれないリスクを負ってまで旅立とうとする兄ちゃんの頼みもちょっとくらいは聞いてくれよ」
「はあ? ……何よ、キモイこといったら殺すかんね!!」
「兄ちゃん一生のお願い! ……メガネをかけてく」
「とっとと行けーーーー!!!」

 操作方法

キー名 説明
カーソルキー 主人公の移動(8方向)
SHIFT + ←→ or ↑↓同時押し、その場での足踏み(強制ターン経過)。
SPACE カーソル位置に対するアクション(誰かと話す/敵を攻撃/壁を掘る/宝箱を開ける)
アイテム選択画面では、アイテムやコマンドの選択("Z"キーでも可能。ファミコンでいうところのAボタン)。
足下の階段の昇降。
ENTER お宝探知機の作動。周囲2マス=主人公を中心とした5x5の25マス範囲内にある壁の中にお宝が隠れているかどうかを探知する。お宝がある場合はその数だけ音がなって知らせてくれる。使う度に電池を1消費する。電池が無くなると使用できなくなる。電池はダンジョンから帰還すると復活する。
CTRL 押しながら移動すると、パーティメンバーとすれ違ったり、アイテムを拾わずに上に乗ることができる。
アイテム選択画面では、CTRLを押しながら選択することで複数選択が可能。
SHIFT 押しっぱなしの状態では、カーソルキーによる移動がロックされ、向きの変更だけが可能になる。また、押したままスペースを押すと、現在のカーソルの位置に対してアクションが可能(移動/誰かと話す/攻撃/壁を掘る)。
TAB アイテムウィンドウの表示、非表示。
ESC 過去ログの表示/非表示。
また、アイテムウィンドウやコマンド選択ウィンドウではキャンセルの意味で利用可能("X"キーでも可能。ファミコンで言うところのBボタン)。
A 矢を打つ(装備時のみ)
F1 アイテム画面で押すと、アイテムを種別順に並び替えることができる。
F2 パーティメンバー用アイテムウィンドウを開く。パーティがいない場合は何も起こらない。
F4 いわゆる「ハマり」状態かどうかを天に尋ねる。目が見えない状態の時に突然ワープさせられたりして、そこがどうやら壁に囲まれた場所などで、脱出の手段がないと思われた場合に使うと、未だ希望があるのかどうかを天に尋ねることが出来る。もし本当に希望がない状態だった場合には、何者かが手をさしのべてくれる。
F12 中断キー。ダンジョン内でのみ使用可能。ゲームを中断セーブしたいときに使う。ゲームを再開するには、タイトル画面で普通にロードすればよい。

 ステータス画面の見方



段目 説明
1段目 現在地が表示される。この場合は「TOWN」つまり地上。
2段目 あなたのHP(体力)。値の意味は「現在値/MAX」。
3段目 あなたの所持金。
4段目 左から「剣:攻撃力」「盾:防御力」「服:衣服の合計耐久値」
5段目 左から「鍵:カギの数」「パン:食料の残量」「バッテリー:お宝探知機の電池残量(残り使用回数)
6段目 「マトック:壁を掘ることができる回数」

 パラメータについて

種別 説明
HP あなたの体力を示す。
敵からダメージを受ける、毒状態でターンが経過する、ダンジョン内で食料がなくなる等の状況に陥ると、HPは減少する。
HPが0になるとゲームオーバー。
敵に与えるダメージに影響する。
装備した武器によって値が増減する。
敵から受けるダメージに影響する。
装備した盾によって値が増減する。
身につけている衣服の耐久値の合計値。
衣服の耐久値は敵から攻撃された際、ダメージを受ける代わりに減少する場合がある。それぞれの衣服の耐久値が0になると衣服はぼろきれと化すので注意すること。
カギ 所持しているカギの数。
カギはダンジョン内の扉を開けるために必要なアイテムで、SHOPさんから購入することができる。
パン ダンジョン内で歩くとお腹が減るため、食料が少しずつ消費される。食料がなくなると、HPが減り始める。食料は食べもの系のアイテムを使うことにより、回復できる。
バッテリー お宝探知機の電池の残量を示す。
お宝探知機は使用する毎に電池残量が減少する。残量が0になると、探知ができなくなる。
ダンジョンから地上に戻ると、電池残量は自動的に回復する。
マトック 壁を掘ることができる回数を示す。この回数は壁を掘る度に減少するが、ターンの経過により、食料を余分に消費しながら自動回復する。

 キャラクター紹介

イメージ 説明
あなたとカーソル

緑の三角のシンボルがあなた。
その上でくるくる廻る照準ぽいのがカーソル。
カーソルはあなたの向きを示し、かつ何かを行う際の対象を指す。


名前は「みゆき」。口が悪い。
ダンジョンで得たものを渡すと、買い取ってくれる。
SHOPさん

胸囲がとても大きいおねーさん。
皆、胸ばかりに気を取られてしまい、誰も彼女の名前を知らないので、SHOPさんと呼ばれている。らしい。
マッサージ(HP回復)や衣服の修繕、カギを売ってくれるナイスガール。
識別おじさん

アイテムを識別してくれるおじさん。
もちろん有料である。
???

これは……ウン○?
詳細はあなたの目で確かめるべし。
パーティメンバー/囚われの少女

ダンジョン内の部屋に囚われている少女。地上まで連れ帰ると、仲間としてダンジョンへ連れて行けるようになる。

 画面パーツ紹介

イメージ 説明
掘れる壁

マトックの残量があれば、掘ることができる。
掘ると宝物が出てきたり、宝物じゃないものが出てきたり、掘っても何もなかったりする。
堅い壁

掘ることはできない。
宝箱

壁の中に隠れていたり、部屋の中に落ちていたりする。
宝箱のある場所には移動できない。宝箱を開けて中のものを得るには、カーソルを合わせてスペースを押す。
水辺

徒歩で越えることはできない。
ワープゾーン

重なるとどこかへ飛ばされる。
注意すべし。
上り階段

重なった状態でスペースキーを押すと、上のフロアへ移動できる。
下り階段

重なった状態でスペースキーを押すと、下のフロアへ移動できる。
地上にはたくさんコレがあるが、どれも行き先は一緒だったりする。
どれでも好きなやつを利用すると良い。


木、林、そういう類のシンボル。
障害物扱いであり、通り抜けできない。
カギ扉

開けるにはSHOPさんが売ってくれるカギが必要である。

 パーティメンバーについて


ダンジョンの部屋の中には、まれに「囚われの少女」が存在する。「囚われの少女」は非常に警戒心が強く、なかなか心を開こうとはしないが、心を込めてなんども語りかけることによって心を開くことがある。このとき、彼女を地上まで送り届けるクエストが発生し、無事送り届けることができれば、彼女をパーティメンバーとして迎え入れることが可能となる。
仲間にしたパーティメンバーは地上に待機しており、話しかけることによってダンジョンに連れていくことができる。また、装備品を彼女らに投げつけると、彼女たちはそれを装備する。ただし、呪われたアイテムは装備しないので注意。また、仲間になる前にアイテムを投げても装備させることはできない。

 TIPS


本ゲームのセーブ方法は2つある。地上でとあるキャラに話しかけるか、ダンジョン内でF12キーによる中断セーブを実行する。
なお、ダンジョン内での中断セーブから再開した場合、ゲームをセーブせずに終了すると次回ロード時は地上でセーブしたときの状態に時間が巻き戻るので注意(中断セーブデータは一度ロードすると失われる)。


ゲーム開始時は所持金ゼロ&ハダカ状態なので、まずはダンジョンの入り口付近で宝探しに専念すべし。
宝の探し方は、宝がありそうな壁に近づいて、ENTERキーを押し探知機を作動させる。もし宝が壁に埋まっていれば、音とメッセージでその旨教えてくれる。探知機の探索範囲(周囲2マス)を頭に入れながら何度か移動しつつ探査を繰り返すことにより、宝の正確な場所を割り出すことができる。
宝を掘り出すにはマトックを使う(壁に攻撃すればOK)。
ただし、探知機やマトックには使用制限回数があるので注意しよう。


敵との戦闘は、装備が整うまでは我慢したほうが良い。何か手に入れたら最初のウチはどんどん売って、アイテムの鑑定費用を稼ごう。鑑定費用が貯まったら、手に入れたアイテムを鑑定し、装備を整えていこう。


落ちてるものを拾うには、その場所まで移動すればよい。また、SHIFTキーを使った操作で手前に落ちているものを拾うこともできる。


装備が整ったら、少しずつ探索範囲を広げていこう。ほとんどのフロアには、いくつかの部屋が存在する。部屋の中にはアイテムが落ちていることが多いので、敵の存在に注意しつつ、部屋を廻ろう。なお、主人公は忘れっぽいので、しばらく探索していると以前歩いた場所の地形を忘れていくので注意。特に階段の場所だけはメモでも取りながらやらないと、すぐどこにあったかわすれて帰れなくなるだろう。


盾以外の防具である衣服系の装備には耐久力が存在する。これは衣服にダメージを受ける度に減ってゆき、0になるとアイテムが壊れる。失いたくない装備品は、耐久力が0になるまえに着替えるか、地上に戻って修繕してもらおう。ピンクのおねーさんが有料で服を直してくれる。
ちなみに衣服はいくらでも重ね着できる。アイテム欄に余裕があるのなら、たくさん着込んでおくのも手である。


武器や防具は巻物で強化することができる。
装備品にかけられた呪いは、あるアイテムで解くことができる。
呪われた装備品を装備してしまうと外せなくなるが、売却は何故か可能となっている。


装備品には特殊な能力を持つものがある。それらは装備すると、ステータス画面に変化があらわれたり、パラメータの増減に影響を与えたりする。


このゲームにゴールはない。ただし、あるアイテムを持ち帰ってある人物に届けると、エンディングぽいメッセージを見ることができる。
また、地下15階以降は得られる宝や出てくる敵に変化はない。地下20階くらいまで潜れるようになったら、だいたいこのゲームを制覇したと言って良いだろう。

 本作について


NEET ROAD』は、作者の就業期間の合間を利用して作成されたプログラムです。ニートではないですが、仕事をしていない期間を使ってほとんどすべての作業を行いました。実際に集中して作業していたのは数年前であり、さらにその数年前に作成していた作りかけのBASICを改良しながら、その上で動く『NEET ROAD』を作っていました。『NEET ROAD』自体の作業期間はたしか2ヶ月強。しかしそのうちの半分くらいは、BASICの拡張やデバッグに費やしていました。


また、本作は拙作の『DungeonDiary』の前身にあたるゲームと云えます。『DungeonDiary』を遊んだ人なら、『NEET ROAD』との共通点をあちこちに見つけることができると思います。『NEET ROAD』はアイテム関連のデータ(出現確率テーブル等)をEXCELで管理しているのですが、そのあたりのノウハウが『DungeonDiary』作成時にも非常に役に立ちました。また、本作のSHOPさんと『DungeonDiary』の商人さんは、私の中ではほぼ同一人物です。


NEET ROAD』のバグはまだたくさん残っていそうですが、とりあえず出せるうちに出しちゃいます(スイマセン)。
ゲーム自体のバグはご報告いただけると幸いです。
#こまめにセーブしながら遊ぶことをお勧めします。

 謝辞



NEET ROAD』は以下のプログラムをリスペクトしています(敬称略)。



『発掘! "宝探しアドベンチャー"』
島弘文著「SHARP MZ-700シリーズ パソコンゲームライブラリー」に所収
廣済堂出版 昭和58年4月25日 初版 1,800円)
※本の両端にこちゃこちゃ書いてあるのはパラパラ漫画です…



『迷宮の果てに』作者:杉井光
PC-9801シリーズ互換機用(N88-日本語BASIC(86)DISK-BASIC)用プログラム
マイコンBASICマガジン 1996年8月号(500円)に所収


 BASICについて(+謝辞その2)


NEET ROAD』は拙作のBASIC(kumabasic.exe)上で動作するプログラムです。
なお、このBASICに関する質問やサポートは受け付けないものとします。
#BASICを利用するのは構いませんが、サポートは行いません
#コマンド仕様等は非公開です。あらかじめご了承ください。


また、本BASIC作成の際、以下の雑誌記事、書籍を参考にさせていただきました。
感謝いたします。


日経ソフトウェア 2005.10
 「オリジナルのプログラミング言語を作ろう!」


MSX MAGAZINE 永久保存版(2003年2月1日 第1版第2刷発行)
 MSX-BASIC資料編「文法リファレンス」「コマンドリファレンス」

 連絡先


NEET ROAD』に関する感想、バグ報告等は、本エントリのコメント欄か、メールでどうぞ。
#(mailの宛先はこちら: windbellrrr■gmail.com ■をアレに換えてください)
なお、バグ修正以外のアップデート等の予定はありませんので、追加要素等の希望は受け付けません。

 最後に


子供の頃、BASICでゲームを作っていて一番悲しかったのは「Out of memory」エラーに遭遇することでした。自分がどんなに超大作を夢想しながらコーディングしていても、このエラーが出るとそこでゲームオーバーでした。当時自分のやりたかったことが、当時のBASICの提供するキャパシティに収まっていませんでした。「もっといくらでもコードが書けるBASIC環境があればいいのに」とずっと思っていました。
そんな往年の夢をオトナの力業で実現したのが本作の動作環境の自作BASICです。そして、その上でやはりオトナの力業で作ったのが『NEET ROAD』ということになります。


もし本作を遊んで何か面白いゲームのアイデアを思いついたのであれば、それはあなたがあなた自身の手で作ってください。
#かつてのあなたがそうだったように