電車の中で貧血


久しぶりに都内へ買い物に行ったりしたのだが、その帰り、電車の中で貧血みたいな症状に陥った。


私が休日に出かけるときは、午前中に出発し昼をはさんで3時過ぎ〜夕方くらいに帰宅することが多いのだが、外食が苦手なので、基本飯抜きで歩き回ってヘトヘトになって帰ってくるパターンが多い。今まではそれでも特に問題が起きたことはなかったが、今日は過剰なスタミナ切れになってしまったのか、かなりヤバイ状態になった。


私は電車の中の陽のあたる窓際に立った状態で本を読んでいたのだが、ひどい腹減りのせいか、胃がきゅうううとしめつけられるような嫌な状態に陥っていた。「これは帰ったらすぐなんか食べないとやばそうだ」と思っていたら、ゆるやかな眩暈から乗り物酔いのような状態となり、その後激しい吐き気に襲われた。さらに上半身からさーーっと血の気が引いていくのを感じ、「あ、これアカンやつや」と思った瞬間汗がどっと噴き出した。意識は既に朦朧としていたが、「これは意識がとぎれた瞬間、床に崩れ落ちて、気づいたら人に囲まれてのぞき込まれてるパターンだ」と思ったので、必死に両手で手すりにつかまり、目を閉じてうつむいたままじっと吐き気をこらえ、意識が飛びそうになるのに耐えていた。電車は急行で、つい先ほど駅を出たところであり、次の停車までは4駅分の距離があった。既に上半身は汗でびっしょりで、それが冷えて体が非常に冷たくなっていた。額には汗が滲み、吐き気は止む気配を見せず、胃は苦しく、頭は真っ白だった。とにかく辛かった。


電車が止まったので、私はふらふらと降車し、飛びかける意識をつなぎ止めながら、乗り換えのためにホームの階段を上り下りした。その間、私の視界の半分くらいを橙色の光の粒が覆っていた。貧血で倒れたことがある人ならわかるかもしれないが、貧血になると、まず視界に橙色の光の粒があらわれて、それがゆっくり数を増していき、視界が光で埋め尽くされたときに、意識を失う(少なくとも私はそのパターン)。なので、かなり危ない状態で歩いていたことになる。ホームを渡り終え、乗り換えの電車を待っていたが、とても立っていられる状態ではなかったので、壁を背にしゃがみこんでハンカチで汗をぬぐっていたら、初老の女性に「大丈夫ですか?」と声をかけられた。正直なところ、あまり大丈夫ではなかったのだが、人を呼ばれたり面倒なことになるのが嫌だったので「ありがとうございます。大丈夫です」と無理矢理笑顔?を作って応答した。ただ、声をかけてもらったことで、大分平常心を取り戻すことができ、相変わらず吐き気はひどかったが、幾分気分が良くなったように思えた。その後すぐ電車が入ってきたので、女性とのやりとりはそこで途切れ、私はあえてその女性とは別の乗車口から電車に乗って、吐き気に耐えながら家まで帰った。


教訓:昼ご飯はちゃんと食べよう。
バッグに飴とかを常備しておくのも、いいかもしれない。


※声をかけてくださった方、ありがとうございました。